新型コロナウィルスの感染拡大が続き、収まる気配がありません。
ちょっと咳をしただけで白い目で見られるなど、今まで以上に体調管理に気を使う日々が続いています。
今回はそんな今こそ注目するべき「セルフメディケーション税制」について解説していきます。
こんな方におすすめ
- セルフメディケーション税制の概要を知りたい
- セルフメディケーション税制の適用方法を知りたい
- 医療費控除との関係を知りたい
そもそもセルフメディケーション税制とは?
自分自身で健康を管理する際にかかった費用を所得控除できる制度!
確定申告において、「医療費控除」は認知度が非常に高いと思います。
医療費が10万円を超えたら確定申告、というように詳しい内容は知らないまでも存在は認知しているのではないでしょうか。
一方で「12,000円を超えたらセルフメディケーション税制!」というのは認知度がかなり低いと思います。
セルフメディケーション税制は平成29年1月1日以降に購入した一部の市販の医薬品の費用を所得控除できる制度です。
この制度は医療費控除の特例という位置づけになっています。
導入の目的は「医療費削減」
この制度が導入に至った経緯としては「社会保障費用を少しでも減らしたい」という意図があります。
日本では高齢化が進み、年々国全体での医療費が増えています。
そういった状況を少しでも改善するために、適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替を進めることを目的として導入されたのがこの制度です。
市販の薬を使って軽度な体調不良は自分で手当することを目的としているわけです。
セルフメディケーション税制の適用方法
適用するには確定申告!医療費控除との併用は不可!
セルフメディケーション税制を適用するには確定申告が必要です。医療費控除の特例という位置づけですので、医療費控除と同様の取り扱いになります。
また、セルフメディケーション税制を適用する場合は医療費控除は使えません。
同じように医療費控除を使う場合はセルフメディケーション税制は使えません。
適用する場合はどちらの方が控除額が大きくなるか判断して選択する必要があります。
セルフメディケーション税制の適用条件は2つ!
セルフメディケーション税制を適用するには以下の2つの条件を満たす必要があります。
- 健康の維持増進及び疾病への予防への取組として一定の取組を行っている
- 対象の医薬品購入の対価が12,000円を超えている
①健康の維持増進及び疾病への取組として一定の取組を行っている
医薬品をただ購入していればいいわけではなく、そもそも健康管理に気を付けているという前提が必要です。具体的には以下のような取り組みが該当します。
特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診
ハードルは高くありません。例年行う健康診断や予防接種をしていれば一定の取組ありと判定されます。
②対象の医薬品購入の対価が12,000円を超えている
これはセルフメディケーション税制による所得控除額の計算方法が関係しています。
セルフメディケーション税制による所得控除額は以下のように計算します。
所得控除額=医薬品購入の対価-12,000円
※計算結果が88,000円を超える場合は88,000円
医薬品購入の対価が12,000円を超えていないとそもそも控除額が発生しないため、制度の適用がありません。
セルフメディケーション税制の対象医薬品は?
1830品目が対象になっている!
セルフメディケーション税制の対象になっている医薬品は令和2年9月30日現在、1830品目あります。
一覧はセルフメディケーション税制対象医薬品 品目一覧で確認することができます。
対象製品を覚える必要はなし!ロゴマークで判別可!
対象品目がかなり多く、そもそも素人には名前を聞いてもどの薬かよくわかりません。
しかし、ご安心ください。一目で分かるように工夫がなされています。
パッケージにこのロゴマークがある医薬品はセルフメディケーション税制の対象になります。
さらに、レシートからも判別できるようになっています。
医薬品を購入したレシートをよくご覧ください。以下のような記載があるはずです。
画像引用元:日本一般用医薬品連合会
確定申告にはレシートが必要になりますので、対象の医薬品を購入した場合はレシートを必ず保管しておくようにしましょう。
まとめ
- セルフメディケーション税制は個人による健康管理を促す目的で導入
- 平成29年からと比較的新しい制度
- 適用には確定申告が必要。医療費控除との併用は不可
- 対象商品はロゴマークで判別。レシートからも確認可。
2020年は特に新型コロナウィルスを気にして病院に行くことを控えた人が多いと思います。
ちょっと体調が悪いな、というときに購入した薬が実はセルフメディケーション税制の対象だったということもあります。
改めてレシートを見返してみて適用できないか確認してみてはいかがでしょうか。