私は2017年の独立時から会計ソフトのメインは弥生会計で、自分の事務所の会計も弥生会計に入力していました。
しかし、2020年途中からまずは自分の事務所をfreeeに移行し、顧問先も順次freeeへ移行中です。
今回は私がfreeeへの移行を決断した理由をお伝えします。
※あくまで個人の主観での感想ですので、それぞれの会計ソフトの優劣を判断するものではありませんので悪しからず!
こんな方におすすめ
- freeeへの移行を検討している
- その他の会計ソフトと比較したfreeeのメリット・デメリットを知りたい
- 公認会計士・税理士から見てfreeeが使いやすいのか否かを知りたい
独立時の会計ソフト選び
弥生会計を選んだ理由は「よく聞くから」
私は独立した際に選択した会計ソフトは「弥生会計」でした。
弥生会計を選択した理由は特にありません。「よく聞くしこれでいいか」という消極的な理由でした。
その後、約3年間使い特に大きな不満はありませんでした。最低限の入力には全く困りません。
API連携でストレスを感じ始める
しかし、銀行口座から数字を自動で持ってこようと思い、API連携をしてから少しストレスを感じるようになりました。
弥生会計では「スマート取引取込」によって金融機関と弥生会計を連携し、口座情報を持ってこれます。
これはこれで便利なんですが、いちいち別ページに行くことにストレスを感じるようになりました。
些細なことではあるのですが、「スマート取引取込」へ移動→口座の同期開始→取引確認→弥生会計へ取り込みという動作が「なんかめんどくさい…」と思うようになりました。
会計ソフト開いたら同期済みで取引の確認だけという状況だったらいいなあと。
freeeとの出会い
開業以来3年間、freeeとはご縁なし
開業してからいくつか顧問先が使っている弥生会計以外の会計ソフト触れる機会がありました。
JDLやMFクラウドなど老舗のソフトからクラウド会計までいろいろありましたが、不思議とfreeeは全くご縁がありませんでした。
そのため、つい最近までfreeeには触れたことすらありませんでした。
ついに訪れたfreeeとの出会い
そんな状況が続きましたが、2020年についてfreeeを使っている顧問先が出ました。しかも立て続けに4件。
これは何かのご縁だなと思い、freeeの認定アドバザー制度に登録しようと説明会の予約を入れました。
ここから一気にfreeeへと移行していくことになるとは全く思いませんでした。
「スモールビジネスを、世界の主役に」このミッションに激しく共感
freeeのミッションは「スモールビジネスを、世界の主役に」です。
このミッションを認定アドバイザー制度の説明会で聞いたとき、「これだ!」と直感的に思いました。
独立開業し、同じような若い世代の顧問先が多く、規模もまだまだ小さいところがほとんどです。
そういった顧問先の成長を支えたい、そういった思いがここ最近強まっていました。
今の自分の考えに完全にフィットするfreeeのミッションに共感し、すぐに移行しようと決断しました。
約1か月で認定アドバイザーに
以前は認定アドバイザーの説明会を受講すれば認定されましたが、2020年に大きく制度が変更され、以下の条件を満たす必要があります。
- 会費の支払い
- 複数顧問先でのfreeeの運用実績
- freeeの定める資格の取得
これは、認定だけされてほとんどfreeeを使っていない税理士が多かったからのようです。
freeeは実際に活用されて初めてスモールビジネスに貢献されます。よりアクティブな会員を増やすための変更です。
私も説明会受講後約1か月でこの変更後の認定アドバイザーとして認定を受けました。
ぶっちゃけfreeeって使いやすいの?
他ソフトと比較してのメリット・デメリットはそれぞれある
freeeを他の会計ソフトと比べると、良い点もあればまだまだ他のソフトの方が使い勝手がいい面はあります。
メリット
- 直感的な操作で会計の知識が無くても使いこなせる
- 自動仕訳で記帳作業を効率化できる
- 無駄な画面遷移が少ない
デメリット
- 振替伝票形式の入力になれていると戸惑う
- 顧問先ごとにファイルを作る際にコストがかかる
- 申告ソフトが弱い
freeeのメリット:直感的な操作で誰でもすぐに使える!
メリットとして一番大きいのは「直感的な操作」だと思います。
会計のことを詳しく知らなくても入力ができるように設計されているため、起業してすぐの人でもすぐに使いこなせるようになります。
自動仕訳機能を使うことで経理業務を効率化し本業に集中できる時間を増やせるのも魅力です。
画面も非常にシンプルで無駄なページ移動がないのでストレスもありません。
freeeのデメリット:会計ファイルを自由に作れない制約は気になる…
一方でこの直感的な操作というのは会計に慣れすぎている会計事務所にとっては違和感があるかもしれません。
freeeの評判として「入力がしにくい」という声が出るのも分からなくはないです。
また、一番のデメリットは顧問先ごとにファイルを作る際にコストがかかる点です。
弥生会計などは一度インストールすれば弥生会計の中でいくつ会計ファイルを作っても追加でお金を払うことはありません。
しかし、freeeでは顧問先ごとに会計freeeを用意する必要があるため、顧問先ごとにコストが発生します。
顧問先が会計freeeをインストールしているということが前提になるため、規模が小さく少しでもコストを抑えたい企業・事業主にとっては負担になります。
また、申告ソフトもないことはないですが、正直その他の申告ソフトと比べるとまだまだ機能的に足りない点が多く、他のソフトに頼らざるを得ない状況です。
公認会計士・税理士からみてfreeeはどうなのか?
ポテンシャル十分!今後の更なる飛躍に大いに期待!
私個人の感想としては「freeeはめちゃくちゃ使いやすい!」です。公認会計士・税理士としてfreeeを使ってみても特に違和感はありません。
会計データをバックアップ取ってメールで送って…というやり取りもなくストレスフリーです。
これは私が独立してまだ日が浅いというのは関係しているかもしれません。
長年従来型の会計ソフトを使い続けてきた事務所でfreeeに移行した場合、違和感はあると思います。
freeeは会計ソフトとしてはかなり新しい部類です。老舗の会計ソフトと比べるとまだまだ物足りない部分もあります。
しかし、新興勢力ということが武器となり、若い世代には浸透しやすいと感じています。
スマホで会計処理ができると言うのは今のご時世かなり大きなメリットになります。
また、クラウド上で証憑や入力内容の確認ができるというのはコロナ禍の現在、非常にありがたいです。
老舗の会計ソフトと比べるとまだまだな面もありますが、それを補って余りあるポテンシャルがあると思います。
まとめ
- 新規開業にはfreeeが断然おすすめ!
- 会計事務所でも特に若手は移行しても違和感なし!
- まだまだな面はあるが今後も大いに期待!
以前は「クラウド会計?よくわかんない」「クラウドってなんか怖い」という先入観から何となく老舗の会計ソフトを選んでいた人もいたと思います。
しかし、クラウド会計はここ数年でかなり進化し、使いやすくなってきました。
このコロナ禍でデジタル化は急務です。今回を機会にクラウド会計に移行し、より会社をステップアップさせてはいかがでしょうか。