freee

【freee】不穏な新サービス?freee導入&経理おまかせサービスとは?

スポンサーリンク

・2万円で経理を丸投げできるサービスが出たって本当?

・認定アドバイザーに依頼するのと何が違うの?

・誰でも使えるの?

今回はfreeeがベータ版としてリリースした新サービス「freee導入&経理おまかせサービス」について考察してみようと思います。

そもそもfreeeとは?

クラウド会計で最も有名なソフトの一つ!

【会計ソフトfreee(フリー)】とはfreee株式会社が提供するクラウド会計ソフトのことです。

ソフトをパソコンにインストールして利用するタイプとは異なり、クラウドで利用します。

そのため、インターネット環境があればいつでも、どこでも操作することが出来るのが特徴です。

クラウド会計では会計freeeとMFクラウド会計の二つが最も有名です。

「スモールビジネスを、世界の主役に」

freeeがミッションとして掲げているものが「スモールビジネスを、世界の主役に」です。

このミッションのもと、会計だけにとどまらず、人事労務関係や会社設立までサービスを展開しています。

私もこのミッションに深く共感し、微力ながら認定アドバイザーとして活動させていただいております。

最大の特徴は初心者でも簡単に操作できること!

会計ソフトと聞くと、税理士など会計に詳しい人でないと操作できないというイメージはないでしょうか?

実際、多くの会計ソフトは簿記の知識がないと入力が難しかったり、操作がそもそも分かりにくいという欠点がありました。

この点、会計freeeは直感的な操作で入力が可能で、会計の知識が無くても記帳ができるように設計されています。

一方で、私のような会計の専門家が使ってもストレスは全くなく、だれにでも使いやすい設計になっています。

【freee】開業以来使っていた弥生会計からfreeeに乗り換えた理由

続きを見る

不穏な新サービス?freee導入&経理おまかせ新サービスとは?

ベータ版で公開されたfreeeの新サービス

そんなfreeeがこの度新たなサービスを公開しました。

その名も「freee導入&経理おまかせサービス」です。

コンセプトは『経理担当不要、「おまかせ経理」を実現します』とのことで。

優秀な経理担当を雇わなくても、
手間のかからない経理を実現したい!
そんなわがままな願いを叶えられる新サービスがスタートしました。
先着10社様限定で、このサービスを特別価格にてご体験いただけます。

引用元:freee導入&経理おまかせサービス

サービスの内容はどうなっているのか?

この新サービスの特長として以下の3点が掲げられています。

  1. 会計freeeの導入をご支援
  2. 「おまかせ経理」でラクラク
  3. 数字はfreeeでいつでも確認

freeeが自身の業務提携先を使って導入から経理まで面倒見ますというサービス内容になっています。

料金は破格の月額18,980円(税抜)!

会計freeeの導入もしてくれて、経理も面倒見てもらえてそのお値段なんと月額18,980円

初期導入費用で200,000円かかりますが、そこからは会計freeeの利用料3,980円と新サービスの利用料15,000円のみで利用できます。

記帳代行だけでなく、経理業務もおまかせできてこの値段は破格でしょう。

既に募集は終了している…

限定10社でベータ版として公開されたため、2021年4月8日現在新規の応募は停止されています。

そのため、今から希望してもこのサービスを利用することは現時点ではできません。

【疑問】認定アドバイザーの出番は…?

ここまで新サービスの内容や料金についてみてきました。

その上で、認定アドバイザーとして思うことは、「それって認定アドバイザーがやってきたことでは?」ということです。

会計freeeの導入や操作の指導、経理業務の代行は税理士としてお客様から依頼を受けて行ってきました。

そういう業務も含めて顧問料を設定してきましたが、ここにfreeeが自ら踏み込んできたということになります。

申し訳ない程度に以下のようなQ&Aはありますが…。

Q. このサービスを利用すれば、税理士との契約は不要ですか?

A. 日々の経理以外の部分(例えば、申告や資金調達の相談など)については、税理士が必要なケースもございますので、各社様でご判断ください。税理士のご紹介もご希望に応じて可能です。

引用元:freee導入&経理おまかせサービス

申告まで含めた経理業務一式を請け負っている場合、このサービスを導入すると税理士としては値下げ必至です。

その一方で、日々の経理を税理士がしていない以上、経理の内容を細かくチェックして申告書を作る必要があるため手間が増えます。

高い会費払って認定アドバイザーをしているのにこの仕打ちはないのでは?というのが率直な感想です。

記帳・経理代行は消えゆく仕事だから仕方がない

会計ソフト提供会社が自ら経理業務を行う、ということは確かに今の税理士にとっては痛手です。

しかし、記帳代行のような付加価値を提供していない業務についてはこの先IT技術が発展すれば遅かれ早かれ消滅する運命です。

それがたまたまこのタイミングだった、ということを考えれば付加価値の高い業務に注力するべき、というfreeeからのメッセージにも捉えられます。

お客様も領収書を見てポチポチ会計ソフトに入力してもらうためではなく、経営や資金繰り、事業承継などについて相談したいから顧問料を支払ってくださっているのだと思います。

そういう意味では税理士の役割がはっきりするサービスでもあります。

税理士の淘汰はすでに始まっている

今回のfreeeの新サービスに限らず、IT技術の進展により従来会計事務所が行ってきた仕事の多くはシステムに取って代わられることになります。

この辺についていけず、今までの方法に固執する会計事務所はあっという間に淘汰されることになると思います。

自分にできないから報酬を払って会計事務所にやってもらっていた作業が、自分で簡単にできるようになればわざわざお金を払う必要はありません。

ただでさえ税法がころころ変わり新しいことへのキャッチアップが必要な会計業界で、今度は仕事のスタイルも大きく変わろうとしています。

すでにコロナ禍でオンライン対応ができない事務所からの乗り換えなども起きており、今後この流れは加速していくと思います。

今回のfreeeの新サービスはそういった時代の変化のほんの一部でしかないようにも思えます。

まとめ

  • freeeが経理をおまかせできるサービスのベータ版を公開
  • 料金は月額約2万円と破格
  • 税理士の存在意義について再考する必要性

今回のfreeeの新サービスは確かに会計事務所にとっては大きな脅威になります。

しかし、従来の形の会計事務所からの脱却が必要な今日、これはある意味でfreeeからの後押しなのではないかとも思えます。

新しい会計事務所について再考しないといけませんね。

スポンサーリンク

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

hiroya

公認会計士・税理士・行政書士。慶應義塾大学在学中に公認会計士試験に合格し、有限責任監査法人トーマツへ入社。その後、2017年独立・開業。「公認会計士・税理士をより身近に」をコンセプトに情報発信を行い、SNSを通じて多くの相談に応じている。

-freee