税務関係

【確定申告】特定口座の源泉徴収あり・なしのメリット・デメリットを税理士が解説!

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2020年は株式市場が非常に好調で株式投資デビューされた方もいるのではないでしょうか?

取引報告書を見て「利益が出ているけど税金ってどうなんだっけ?」と疑問に思うこともあると思います。

今回は上場株式の取引に注目し、特定口座の取り扱いについて解説していきます。

こんな方におすすめ

  • 上場株式の確定申告の概要を知りたい
  • 特定口座の種類ごとのメリット・デメリットを知りたい
  • 特定口座でも確定申告した方がいい場合を知りたい

上場株式の確定申告の基本

上場株式を売って得た利益は「譲渡所得」で「申告分離課税」

証券会社に口座を開き株を売買して利益が出た場合、原則が確定申告が必要になります。

売った価額から買った価額と委託手数料の合計を差し引いた残りが上場株式を売った際の利益ということになります。

この利益を確定申告する際の区分は「譲渡所得」に該当します。

そして、この譲渡所得は給与所得や事業所得などその他の所得とは合算せず、単独で税金を計算します。これを「申告分離課税」と言います。

これは、上場株式の利益にかかる以下の通りと決まっているためです。

引用元:国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)

 

証券口座の種類

現在の主流は「特定口座」!負担が全然違う!

証券口座には「一般口座」と「特定口座」の二種類があります。

現在の主流は「特定口座」であり、新規に口座を作る場合はほぼ100%特定口座といってもいいかもしれません。

これは以下のような違いがあるためです。

「一般口座」はすべて自分で計算する

一般口座については、すべての計算を自分で行うことになります。

すべてとは税金の計算はもちろん、株式の取引の損益計算も自分で行う必要があります。

証券会社は基本的に何もしてくれません。

過去には一般口座の場合は税法上の特例がありましたが、現時点で適用はありませんので、一般口座のメリットはありません。

「特定口座」は証券会社が計算してくれる!

一方で特定口座については、証券会社が利用者に代わって計算を行ってくれます。

会社員で働きながら株式投資を行っているなど、投資に時間をあまりとれない人にとっては非常に助かります。

新規に口座を開設する場合はほぼ間違いなく特定口座で開設することになると思います。

確定申告をする際も証券会社が発行してくれる「特定口座年間取引報告書」を使うことで簡単に申告できます。

そして、特定口座はさらに二種類に分かれます。

源泉徴収ありとなし

それぞれにメリット・デメリットあり!自分にあった種類を選択する!

特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」という二種類が存在します。

これは一般口座とは違い、いずれにも利用するメリット・デメリットがありますのでそれぞれ解説します。

「源泉徴収あり」のメリットは確定申告が不要であること!

源泉徴収ありの場合のメリットは確定申告が基本的には不要になることです。

証券会社が税金の計算と納付まで代わりに行ってくれますので、利益が出ていたとしても利用者は確定申告をする必要がありません。

株の取引について税金を気にしなくていいため非常に安心です。

一方で、デメリットは次に述べる「申告不要制度」を受けられないという点になります。

「源泉徴収なし」のメリットは「申告不要制度」の恩恵を受けられること!

一方で源泉徴収なしの場合は確定申告が必ず必要です。この点で手間がかかるためデメリットになります。

しかし、源泉徴収なしのメリットは「申告不要制度」を使える可能性があることです。

「申告不要制度」とは、給与所得者の他の所得が20万円以下である場合は確定申告不要・納付不要という制度です。

そのため、確定申告は基本的に必要ではありますが、1年間の利益を計算したところ20万円以下であれば申告も納付も不要になることになります。

源泉徴収ありではたとえ1円でも利益が出ていれば税金が計算され納付されてしまいます。

そのため、年間の利益が20万円以下の場合は納付しなくてもよかった税金を納めていることになってしまうため、損をしていることになってしまいます。

メリット・デメリットまとめ

以上をまとめると以下のようになります。

メリット デメリット
源泉徴収あり 確定申告が不要 利益が20万円以下でも納税しないといけない
源泉徴収なし 利益が20万円以下であれば納税が不要 確定申告が必須

特定口座でも確定申告した方がいいケース

「譲渡損失」の場合は確定申告で3年間繰り越せる!

特定口座で源泉徴収ありの場合は基本的に確定申告は不要ですが、確定申告をした方がいいケースがあります。

それが「譲渡損失」だった場合です。

譲渡損失の場合、確定申告をしなくても問題はありません。そもそも税金が発生していませんので。

ただし、譲渡損失は確定申告をすることで、損失額を翌年以降3年間繰り越すことができます

つまり、今年の損失を来年以降利益が出た場合に相殺させることが可能になります。

継続的に株式の取引を行っている場合は使わない手はありません。

この繰り越しは確定申告をしないとできませんので、譲渡損失の場合は確定申告をするようにしましょう。

まとめ

  • 株の利益は「譲渡所得」で「申告分離課税」
  • 証券口座は「一般口座」と「特定口座」がある
  • 特定口座の「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」はそれぞれメリット・デメリットがある
  • 譲渡損失は確定申告で3年間繰り越せる

口座を開設するときは何となく「これでいいや」と選んでしまったりするため、改めて確定申告をする段階になってみると「どんな口座だっけ?」と分からなくなることもあります。

まずはご自身の口座の状況を確認し、期限までに正しく申告するようにしましょう。

2020年は新型コロナウィルスの関係で申告期限が柔軟に取り扱ってもらえるケースがあります。

詳しくは「令和2年分の確定申告の申告期限は?新型コロナウィルスの影響を税理士が解説!」をご覧ください。

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hiroya

公認会計士・税理士・行政書士。慶應義塾大学在学中に公認会計士試験に合格し、有限責任監査法人トーマツへ入社。その後、2017年独立・開業。「公認会計士・税理士をより身近に」をコンセプトに情報発信を行い、SNSを通じて多くの相談に応じている。

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