税務関係

【確定申告】2021年から紙申告では控除額が減る!?該当するケースと対処法を税理士が解説!

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今年もいよいよ確定申告の時期が近づいて来ました。準備を始めている個人事業主の方も多いと思います。

今年は例年通りに申告すると税額が増えてしまう可能性があるため、この点を解説します。

こんな方におすすめ

  • 2021年の確定申告について知りたい
  • 紙申告では控除が減るケースを知りたい
  • 控除額を減らさない方法を知りたい

そもそも確定申告とは?

1年間の所得を集計し税金の過不足を精算する手続き!

確定申告とは、1年間で生じた所得を集計しそれに対する所得税を計算して過不足がある場合は精算する手続きを言います。

会社員が副業した場合、仮想通貨の取引をした場合、医療費控除がある場合など1年間で自身に発生した税金に関する事実を集計してまとめ上げる作業です。

給与所得だけの場合は「年末調整」で完結しますが、その他に収入や控除がある場合は確定申告が必要になります。

2021年の確定申告はいつからいつまで?

2021年2月16日から3月15日まで!

確定申告はいつでもできるものではなく、申告・納付するべき期間が決まっています。

2020年分の所得を申告する2021年の確定申告の期間は2021年2月16日(火)から3月15日(月)までです。

注意点としては、申告だけではなく、納付も3月15日までに完了する必要があることです。

3月15日の23:59に申告できた!では納付が間に合っていませんので問題があります。

2021年の確定申告の主な変更点

①基礎控除が38万円から48万円に変更

去年までの確定申告では基礎控除は「38万円」でした。しかし、今回の申告から基礎控除が「48万円」に変更となっています。

これは、働き方の多様化を受けて、給与所得控除の引き下げとセットで行われたものです。

フリーランスの方の申告などではこの控除額引き上げの恩恵を受けることになります。

②青色申告特別控除が65万円から55万円に変更

個人事業主にとって非常にありがた青色申告特別控除。しっかり記帳して資料を保管するなど一定の要件を満たせば事業所得から65万円を控除することができました。

しかし、今回の確定申告から青色申告特別控除は「65万円」から「55万円」に変更となっています。

ただし、これには続きがあります。以下のいずれかを利用する場合は引き続き65万円控除を受けることができます。

  • e-Taxによる電子申告
  • 電子帳簿保存の実施

このうち、電子帳簿保存は現時点で個人事業主が行うことは非常にハードルが高いです。税理士である私も対応していません。

一方で、電子申告は非常にハードルが低く利便性も高いためこちらを強くおすすめします。

電子申告の始め方

マイナンバーカードが必要!まだの人はすぐに発行を!

電子申告を始めるために必要なアイテムは以下の通りです。

  1. マイナンバーカードを取得
  2. ①を読み取るカードリーダー(スマホでも可)
  3. 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」

この中で最も準備が難しいものが「マイナンバーカード」です。マイナポイントなどを使って政府が発行を呼び掛けていますが、多くの人が未だ通知カードのままではないでしょうか。

個人で電子申告をする場合は電子証明書としてマイナンバーカードが必要になりますので、必須のアイテムになります。

さらに都合が悪いことに、マイナンバーカードは発行に時間がかかります。通常3週間ほどかかり、発行申請が殺到するともっとかかる可能性もあります。

2021年の確定申告を自身で行う場合でマイナンバーカードがお手元にない場合は今すぐ発行手続きをしましょう!

その他はすぐに準備できますので、とにもかくにもマイナンバーカードです!

マイナンバーカードが用意できない場合は「ID・パスワード方式」を使う!

マイナンバーカードが用意できない…間に合わない…という場合は「ID・パスワード方式」という方法があります。

これはマイナンバーカードが普及するまでの暫定的な処置のため、いつなくなるか分からない方法ですのでご注意ください。

届出は「確定申告書等作成コーナー」よりできます。

画像引用元:国税庁「確定申告等作成コーナー」

準備ができたら「確定申告書等作成コーナー」へGO!

電子申告は特別なソフトを使わずに、国税庁が公表している「確定申告書等作成コーナー」で行うことができます。

電子申告に関係するところをピックアップして説明します。

まず、トップページより「作成開始」をクリックして以下のどちらかから作成を開始します。

登録情報の確認後、申告書の作成ページに移ります。

作成する申告書を選択し、作成を開始します。今回は所得税を選択します。

作成の前に事前情報を入力しますが、ここで「e-Taxにより税務署に提出する」を選択していることを確かめてください。

事前情報を入力後は確定申告書に「所得」「所得控除」「税額控除・その他の項目」を入力していきます。

「税額控除・その他の項目」を入力するページで「青色申告特別控除」を入力します。電子申告しますので「65万円」を入力しましょう。

青色申告特別控除を入力する際に別ページに遷移しますが、こちらでは以下のように選択します。

電子帳簿保存はしていないため、「いいえ」を選択し、注書きの指示に従うことになります。

次へを押してどんどん進んでいき、最後の「送信準備」のところで以下に必ずチェックを入れます。

青色決算書をセットで出すことが必須ですので、同じく「確定申告書等作成コーナー」で作成しておきましょう。

無理だと思ったら税理士に依頼する!

「手入力が多いし内容が不安」「そもそも税金の計算があっているのか不安」「操作が難しすぎてわからない」など電子申告に不安がある場合は税理士に相談するようにしましょう。

税理士に依頼すると報酬は発生しますが、申告書の作成の手間が省け、申告書の内容も信頼できるものになります。当然電子申告も対応しています。

むしろ、今年の申告を紙でしようとしている税理士は危険です。前例踏襲で何も考えずに紙申告されると税金が増える可能性があるので要注意です!

まとめ

  • 確定申告は1年間の所得の総決算
  • 2021年の申告期間は2月16日から3月15日まで
  • 電子申告しないと青色申告特別控除が55万円になってしまう
  • 無理だと思ったら早めに税理士に相談!

税金は複雑なうえ、毎年改正が入ってしまうので前年までの知識が必ずしも今年役立つとは言えないことがあります。

自分で悩んでも解決しないこともありますので、そういった場合は税理士に気軽に相談してみてください。

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hiroya

公認会計士・税理士・行政書士。慶應義塾大学在学中に公認会計士試験に合格し、有限責任監査法人トーマツへ入社。その後、2017年独立・開業。「公認会計士・税理士をより身近に」をコンセプトに情報発信を行い、SNSを通じて多くの相談に応じている。

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