税務関係

【確定申告】Go toキャンペーンの還元は申告対象!?税理士が解説!

スポンサーリンク

個人消費喚起を狙ったキャンペーンである Go toキャンペーン。

高級旅館に割安価格で泊まれる!など大きな反響を呼び、多くの方が利用したと思います。

今回はGo toトラベルやGo toイートなどGo toキャンペーンに関連する税金の話を解説します。

こんな方におすすめ

  • Go toキャンペーンに関する税務上の整理について知りたい人
  • Go toキャンペーンに関する確定申告の方法を知りたい人

 

 

Go toキャンペーンに税金がかかるって本当?

一時所得として課税される!

これは本当です。Go toトラベルのQ&Aに以下のように記載されています。

Q133 Go To トラベル事業を利用して旅行した場合、国による支援額(旅行代金の2分の1相当額)は課税対象になるのか。
A Go To トラベル事業は国内旅行を対象に、旅行業者等を通じて、宿泊・日帰り旅行代金の 2 分の1相当額の給付を旅行者に対して行うものであり、この給付は税務上、旅行者個人の一時所得として所得税の課税対象となります。

ただし、課税対象になるとはいえ、一時所得については、所得金額の計算上、50万円の特別控除が適用されることから、他の一時所得(懸賞や福引きの賞金品や競馬や競輪の払戻金等※)とされる金額と Go To トラベル事業による給付額との合計額が年間 50 万円を超えない限り、旅行者個人の課税所得は生じません。

引用元:Go To トラベル事業 Q&A 集(10 月 30 日時点)

一時所得として課税、とばっちり書かれています。消費喚起のための施策なのに課税するな!と思いますが、お決まりの課税の公平性の問題です…。

Go toキャンペーン使った全員が確定申告するのか!?

還元額が50万円を超えなければ申告不要!

Go toキャンペーン使った…今まで確定申告なんてしてないからわからない…と不安になる方もいらっしゃると思います。

結論から申し上げますと、ほとんどの人は申告対象外であると考えられます。

これはGo toキャンペーンの還元額が該当する「一時所得」の計算方法が関係しています。

一時所得の計算は以下のように行います。

総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額

総収入金額にGo toキャンペーンによる還元額が該当します。そこから一律50万円が特別控除という形で差し引かれます。

そのため、還元額が50万円を超えなければそもそも一時所得がない、ということになりますので確定申告が不要ということになります。

旅行代金の1/2相当が還元されることから考えると、100万円以上の旅行に行っていなければ申告対象外ということになります。

その他に一時所得がある場合は注意!

Go toキャンペーンの還元額は一時所得に該当しますが、一時所得に該当するものはGo toキャンペーンだけではありません。

具体的には以下のようなものも一時所得に該当します。

(1) 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)

(2) 競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除きます。)

(3) 生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等

(4) 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものを除きます。)

(5) 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等

引用元:国税庁「No.1490 一時所得」

競馬や競輪などの払戻金が一番わかりやすいと思います。こういったものも一時所得に該当します。

そして、一時所得はこれらすべての合計額から特別控除50万円を控除することになります。

そのため、Go toキャンペーンだけでは50万円を超えない場合でも競馬の払戻金と合算すると超えてしまう、というケースも考えられます。

ご自身の状況をよく整理する必要があります。

なお、最近はネットでも競馬やカジノなどができる時代になりました。

e-Sportsでも課税されるケースがありますので「LUC888の確定申告はどう行う?税理士が解説!」もご覧ください。

一時所得が50万円を超えてしまった!申告の方法は?

Go toキャンペーンを含めた一時所得が50万円を超えてしまった場合、確定申告が必要になります。

一時所得の確定申告のポイントは以下の通りです。

  • 総合課税
  • 他の所得との損益通算不可

一時所得は総合課税!給与所得や事業所得と合算する!

一時所得は総合課税といい、他の所得と合算して、所得全体に所得税率を乗じて所得税額が計算されます。

税額の算定手順は以下の通りです。

  1. 一時所得の課税所得を計算する
  2. その他の課税所得と合算する
  3. 所得控除額を差し引く
  4. 所得税率を乗じる

なお、①一時所得の課税所得は以下のように計算します。

(総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円))×1/2=一時所得の課税所得

前述した一時所得の金額を二分の一にした金額が課税所得になります。この金額を他の課税所得と合算して税額を計算します。

一時所得は他の所得と損益通算不可!

総合課税される所得の中で損失が出ている所得がある場合、他の所得と相殺できるという制度があります。これが「損益通算」です。

サラリーマンが不動産投資を行う場合の節税方法であったりするため、認識されている方も多いと思います。

では一時所得が50万円を超えて課税され、他の所得に損失がある場合、他の所得の損失と相殺することは可能なのでしょうか?

結論は「損益通算不可」です。他の所得で損失が出ていたとしても一時所得とは相殺できません。

まとめ

  • Go toキャンペーンの還元は課税対象
  • 50万円までは特別控除で課税されない
  • 確定申告する場合は総合課税・損益通算不可

Go toキャンペーンが課税対象になる、というのはふるさと納税の返礼品が課税対象になるという話に通じるものがありますね。

政府がよかれと思って始めても結局課税される…。もう少し何とかならないものですかね。

一時所得の申告は普段確定申告をされている方でもなじみが薄い所得です。

計算方法などが分からない場合は専門家である税理士に相談し、サポートを受けることをおすすめします。

スポンサーリンク

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

hiroya

公認会計士・税理士・行政書士。慶應義塾大学在学中に公認会計士試験に合格し、有限責任監査法人トーマツへ入社。その後、2017年独立・開業。「公認会計士・税理士をより身近に」をコンセプトに情報発信を行い、SNSを通じて多くの相談に応じている。

-税務関係
-