税務関係

【法定調書】前払家賃は「不動産の使用料等の支払調書」に含めるの?税理士が解説!

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1月末が提出期限となっている法定調書。年に一回のことなので、「これどうだったっけ?」ということが多いですよね。

今回は「不動産の使用料等の支払調書」に含めるべき家賃・地代の範囲を解説します。

こんな方におすすめ

  • 「不動産の使用料等の支払調書」に含める家賃・地代の範囲を知りたい
  • 家賃の前払いをしたけど支払調書に含めるべきか悩んでいる

 

そもそも支払調書の対象になる家賃・地代は?

支払先が個人:全部、支払先が法人:権利金・更新料等に限定!

不動産の使用料等の支払調書には基本的にすべての地代・家賃等の支払いを含めます。

しかし、支払先が内国法人である場合は例外として権利金・更新料等のみ含めればよく、内国法人に対して家賃や賃借料を支払っている場合は提出の必要がありません。

支払先が個人である場合は例外がありませんので、原則通りすべての支払いを含めます。

金額基準あり!15万円以下は提出不要!

支払先が個人であっても、同一の人物への支払いが15万円を超えなければ支払調書の提出は不要です。

なお、この15万円には消費税は基本的には含みますが、明確に消費税が区分されている場合には税抜き金額で判定することが出来ます。

年間契約ですと15万円以下の家賃・地代というのは少ないかもしれませんが、一時的な賃貸などについてはこの金額基準による判定が効いてくることがあります。

純粋な地代や家賃以外も対象!

不動産の使用料「等」の支払調書とあるように、イメージしやすい地代や家賃以外にも支払調書の提出対象になります。

具体的には以下の通りです。

 なお、不動産の使用料等には、土地、建物の賃借料だけでなく、次のようなものも含まれます。

(1) 地上権、地役権の設定あるいは不動産の賃借に伴って支払われるいわゆる権利金(返還を要しないこととなる敷金等を含みます。)、礼金

(2) 契約期間の満了に伴い、又は借地の上にある建物の増改築に伴って支払われるいわゆる更新料、承諾料

(3) 借地権や借家権を譲り受けた場合に地主や家主に支払われるいわゆる名義書換料

また、催物の会場を賃借する場合のような一時的な賃借料、陳列ケースの賃借料、広告等のための塀や壁面等のように土地、建物の一部を使用する場合の賃借料についても、支払調書を提出する必要があります。

引用元:国税庁「No.7441「不動産の使用料等の支払調書」の提出範囲等」

借地権の名義書き換え料や増築の承諾料なども対象になるので、不動産に関する支払いは慎重に整理する必要があります。

支払調書にはいつの支払い分まで含めるのか?

「確定した対価の金額」を含める!

賃貸借契約で「当月25日までに翌月分家賃を支払う」という契約になっていることはよくあります。

例えば、12月25日に翌年1月分の家賃を支払うケースがこれに当たります。

ではこの12月に支払った翌年分の家賃は支払調書に含めるべきなのでしょうか?

答えは「含める」です。

国税庁がQ&Aを公表しているので引用してみましょう。

【照会要旨】

A社は、家主B(個人)と各月分の家賃を前月の末日までに支払う旨を定めた建物賃貸借契約を締結しています。

建物の賃借は10月から開始していますが、この場合、「不動産の使用料等の支払調書」の「支払金額」欄には10月分から12月分の家賃に相当する3か月分の支払金額を記載すればいいのでしょうか。

【回答要旨】

照会の場合、その年中に支払うべき金額である10月分から翌年1月分の4か月分の家賃に相当する金額を「支払金額」欄に記載します。

「不動産の使用料等の支払調書」の支払金額は、所得税法施行規則第90条第1項第2号において「その年中に支払の確定した対価の金額」と規定されています。この「確定した対価の金額」とは、原則として、相手方にその支払を請求し得ることとなった金額をいうものと解されています。

したがって、照会の場合、その年中に支払うべきことが確定している対価の金額は、10月分から翌年1月分の4か月分の家賃の金額となり、その4か月分の家賃に相当する金額を「支払金額」欄に記載することとなります。

このQ&Aで明らかにされているとおり、支払調書に含めるのは「その年中の支払の確定した対価の金額」です。

つまり、12月25日までに翌年1月分の家賃を支払うことになっているのであれば、翌年1月分の家賃はその年中に支払いが確定している、と判断されます。

簿記をやっている人には非常に違和感がある処理ですよね。費用収益対応の原則からすれば1月分は前払費用に該当し含めないという対応になりそうですからね。

この点については支払調書はそういうもんなんだ、と割り切って対応するしかありません。

まとめ

  • 内国法人への家賃・賃借料以外は支払調書に含める
  • 支払調書は費用収益対応の原則の例外!支払いが確定していれば翌年分でも含める

1年に1回の処理であることに加え、会計原則から外れる処理が求められるというのは混乱を助長しますね。

疑問点は一つずつ整理して提出期限までに提出するようにしましょう。

 

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hiroya

公認会計士・税理士・行政書士。慶應義塾大学在学中に公認会計士試験に合格し、有限責任監査法人トーマツへ入社。その後、2017年独立・開業。「公認会計士・税理士をより身近に」をコンセプトに情報発信を行い、SNSを通じて多くの相談に応じている。

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