学校法人関係

【学校法人】電話加入権の取り扱いは?自動解約の例も含めて公認会計士が解説!

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・電話加入権って何?

・学校法人での取扱いはどうなっているのか?

・除却が必要なタイミングってあるの?

今回は普段何気なく使っている電話に関して「電話加入権」の学校法人における取り扱いを解説します!

電話加入権とは?

固定電話新規契約時に支払う負担金!

電話加入権の正式名称は「施設設置負担金」といいます。

電話の新規架設工事費の一部に充てるという名目で39,600円(税込)をNTT東日本・西日本へ支払うことになります。

これは戦後間もないころに日本全国に電話網を拡大させるための工事費に充てるために創設された負担金になります。

現在はほとんど価値なし…

戦後間もないころや携帯が普及する前は固定電話は非常に重要なものであり、負担金を支払ってでも電話線を引く意味がありました。

しかし、スマートフォンやインターネット回線を利用した電話の普及により、電話線を利用した固定電話の存在価値が相対的に下がっています

そのため、現在電話加入権の価値はほとんどないとまで言われるようになっています。

事実、国税庁が公表する「財産評価基準書」で電話加入権の評価額は「1,500円(全国一律)」とされています。

学校法人における電話加入権の取り扱い

貸借対照表の「その他の固定資産」に計上

学校法人において固定電話を引き、電話加入権を取得した場合は貸借対照表の「その他の固定資産」の部に計上します。

計上額は取得価額になりますので、現時点で新規加入した場合は39,600円(中古で取得した場合を除く)を計上することになります。

また、一度計上した後は当初の取得価額で計上を続けます。

これは学校法人会計基準第25条に以下の通り記載があるためです。

(資産の評価)

第二十五条 資産の評価は、取得価額をもつてするものとする。ただし、当該資産の取得のために通常要する価額と比較して著しく低い価額で取得した資産又は贈与された資産の評価は、取得又は贈与の時における当該資産の取得のために通常要する価額をもつてするものとする。

引用元:学校法人会計基準

前述のようにほとんど価値なし、と言われてしまっても時価評価して減損処理をすることはしません

基本金の組入対象

学校法人会計特有の考え方に「基本金」というものがあります。

事業活動に必要な資産を継続的に保持するために維持するべきものとして事業活動収入から組み入れるものですが、電話加入権はこの対象になるのでしょうか?

答えは、「組入対象」です。

文科省が以下のようなQ&Aを公表しています。

2‐3 その他の固定資産は基本金組入対象資産となるか

Q 貸借対照表の「その他の固定資産」に計上されている資産は、基本金組入対象資産となるでしょうか。

A(1)借地権、電話加入権、温泉権

基準第29条、第30条によれば、学校法人の諸活動の計画に基づき必要な資産で、その資産を継続的に保持する計画のあるものは、基本金組入対象資産とされているので、借地権、電話加入権、温泉権、水利権等のその他の固定資産であっても、上記の条件に該当するものは、第1号基本金組入対象資産として把握すべきである。

引用元:文部科学省「基本金の組入れ

新たに取得した場合は基本金組入の対象になるので漏らさないように気を付けましょう。

電話加入権の自動解約とは?

NTT東日本独自の論点!

昨今、電話加入権を必要としないひかり電話などのサービスが登場し、番号そのままで契約を変更する動きが出てきています。

その際に気を付ける必要があるのが「電話加入権の自動解約」です。

これはNTT東日本だけ行っており、NTT西日本では行われておりません

NTT東日本のホームページから引用します。

Q電話の利用休止は、最長10年で解約となってしまうのですか?その場合、加入権はどうなってしまうのでしょうか。

 

A回答

利用休止期間(5年)を経過しても、ご契約者様から利用休止期間延長、または加入電話等の再利用のお申し出がない場合は、NTT東日本でその期間を更に5年間自動的に延長させていただいております。

なお、休止工事日(または利用休止期間延長の手続き日)から10年間、お客様より上記のお申し出がない場合は、誠に申し訳ございませんが、加入電話契約(電話加入権等)は解約されたものとして取り扱わせていただきます。

引用元:NTT東日本「よくある質問

このように、休止工事から10年間何もしないと電話契約は解約されたとして取り扱われることになります。

これが電話加入権の自動解約です。

「利用休止」なのか「解約」なのかを整理する!

ひかり電話への乗り換えなどで既存契約から乗り換える場合、注意すべき点は「既存契約の状態」です。

次の二つの状態が考えられます。

  1. 将来的に既存契約に復帰するかもしれないので「利用休止」にしている
  2. 将来的に既存契約に復帰することはないので「解約」している

それぞれ会計上の取り扱いが異なるので注意が必要です。

①「利用休止」

この場合、前述のNTT東日本のよくある質問にある通り、10年間は何もせずとも既存契約は休止状態ですが残っていることになります。

何も連絡をせずに10年が経過して初めて契約が失効することになります。

よって、利用休止の手続きをした時点では電話加入権を除却する必要はありません。

あくまで利用休止期間10年間が経過して契約が失効した時点で除却することになります。

②「解約」

この場合、自動解約を待つまでもなく、解約手続きをした時点で既存の電話加入権は除却することになります。

自動解約はあくまで利用休止工事をした場合の話ですので、乗り換え時点で解約していれば自動解約という話は出てきません。

電話加入権除却時の基本金

学校法人会計において、基本金はむやみに取り崩さず、代替資産を取得する場合は差額を組み入れる対応になります。

しかし、ひかり電話などそもそも電話加入権がない契約に変更した場合、既存の電話加入権の代替資産は取得しないことになります。

よって、この場合は基本金の取り崩しを認識することになります。

まとめ

  • 電話加入権は施設設置負担金のこと
  • 今ではほとんど価値がない
  • 学校法人会計では固定資産に該当し、基本金組み入れの対象
  • NTT東日本では自動解約という問題が出てくる

電話加入権の金額自体はあまり大きくないことが通常です。

電話の契約をいじることも少ないため、貸借対照表における存在も薄い科目ではあります。

しかし、いざ契約を変更したときに正しく処理するためにも取り扱いについて整理する必要がありますね。

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hiroya

公認会計士・税理士・行政書士。慶應義塾大学在学中に公認会計士試験に合格し、有限責任監査法人トーマツへ入社。その後、2017年独立・開業。「公認会計士・税理士をより身近に」をコンセプトに情報発信を行い、SNSを通じて多くの相談に応じている。

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